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コラム施設の基礎知識ご家族向け

ケアハウス(軽費老人ホーム)の入居条件と費用
— 収入で変わる仕組みを社会福祉士が整理 —

特別養護老人ホームは要介護3以上でまだ申し込めない、かといって有料老人ホームは費用が心配。——そのはざまで候補になるのがケアハウス(軽費老人ホーム)です。 ケアハウスには、ほかの施設にない大きな特徴があります。費用の一部が、入る方の収入に応じて変わるという仕組みです。収入が低い方ほど負担が軽くなります。 本記事では、入居条件、特定施設の指定の有無で変わる介護の受け方、費用の仕組み、そして名前が似ていて混同されやすい養護老人ホームとの違いまでまとめました。
掲載日:2026.08.26|監修:社会福祉士・入居相談員
この記事の答え

ケアハウスは原則60歳以上から入れる軽費老人ホームで、サービスの提供に要する費用が所得に応じて変わります。特定施設の指定の有無で、介護の受け方が変わります。

ケアハウスは、老人福祉法にもとづく軽費老人ホームの一種です。基準が定める対象は、身体機能の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安があり、家族による援助を受けることが困難な方で、原則60歳以上。配偶者や三親等内の親族など、一緒に入所させることが必要と認められる方には年齢の例外があります。要介護認定を受けていなくても入居できる点が、特別養護老人ホームとの大きな違いです。ケアハウスの中には特定施設入居者生活介護などの指定を受けている施設もあり、介護の受け方が変わります。費用はサービスの提供に要する費用(従来「事務費」と呼ばれてきた費用)・生活費・居住に要する費用などで構成され、このうちサービスの提供に要する費用は入所者の所得の状況などを勘案して都道府県知事が定める額とされています。つまり所得が低い方ほど負担が軽くなります。減額を希望する場合は、入所時と翌年度以降は年1回、収入を証明する書類を添えて施設長に申請します。名前の似た養護老人ホームは市町村の措置で入る別の制度ですので、混同しないようご注意ください。
中川 優美(社会福祉士・入居相談員)
この記事の監修者

中川 優美Yumi Nakagawa

社会福祉士。ふれあい入居サポートセンター葛飾相談室にて、入居相談を担当。費用を抑えた住まいのご相談も含めて、ご家族をサポートしている。
社会福祉士(国家資格)ふれあい入居サポートセンター 葛飾相談室高齢者向け住まい紹介事業者届出 25-0881
編集ポリシー:本記事は、老人福祉法および軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成20年厚生労働省令第107号)、厚生労働省の関係通知に基づいて執筆しています(2026 年 8 月に確認)。サービスの提供に要する費用(従来「事務費」と呼ばれてきた費用)の額は都道府県知事が定めるものであり、地域と施設によって異なります。生活費・居住に要する費用も施設ごとに異なりますので、具体的な金額はかならず個別の施設および自治体にご確認ください。本記事内の事例はイメージで、特定の個人を表すものではありません。

まず知っておきたいこと

ケアハウスは、老人福祉法にもとづく軽費老人ホームの一種です。運営しているのは社会福祉法人や地方公共団体などです。

「軽費」という名のとおり、費用を抑えて暮らせる住まいとして作られています。

なお、以前は軽費老人ホームを A型・B型・ケアハウス(いわゆるC型) と区分して説明することがありました。ただし現在の「軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準」では軽費老人ホームとして基準が一本化されており、「C型」という区分は使われていません。従来のA型・B型は、基準の施行時に存在していた施設が経過的軽費老人ホームとして附則に残されている形です。

分かれ目は「特定施設の指定を受けているか」

ケアハウスを「一般型」「介護型」と2つに分けて説明することがありますが、これは法令上の類型名ではありません。 制度上の分かれ目は、特定施設入居者生活介護の指定を受けているかどうかです。

特定施設の指定なし(一般に「一般型」と呼ばれる)特定施設の指定あり(一般に「介護型」と呼ばれる)
提供されるもの軽費老人ホームとしての生活支援生活支援に加えて、介護保険の特定施設のサービス
介護の受け方必要になった訪問介護などの居宅サービスを個別に契約して利用ホームが介護サービスを包括的に提供(外部の指定事業者に委託する外部サービス利用型もあります)
要介護度が上がったとき外部サービスを組み合わせて続けられる場合もあるが、体制を超えると住み替えになることがある住み続けやすい

この2つは、名前は同じでも中身がかなり違います。 問い合わせるときは、特定施設の指定を受けているかどうかを必ず確認してください。要支援の方には介護予防特定施設入居者生活介護、要介護の方には特定施設入居者生活介護があります。

そして、ケアハウスにはほかの施設にない特徴があります。費用の一部が、入る方の所得に応じて変わるという点です。これは後ほど詳しく説明します。

入居条件

基準が定めている対象

軽費老人ホームの基準は、入所者の要件を次のように定めています。

  • 身体機能の低下等により自立した日常生活を営むことについて不安があると認められ、家族による援助を受けることが困難な方
  • 原則60歳以上。ただし、その方の配偶者、三親等内の親族、その他特別な事情により一緒に入所させることが必要と認められる方については、60歳未満でも対象になり得ます

要介護認定を受けていなくても入居できます。 ここが、要介護3以上が原則の特別養護老人ホームとの大きな違いです。ただし「60歳以上で一人暮らしが不安なら誰でも入れる住まい」ではありません。身体機能の低下などから自立した生活に不安があり、ご家族から十分な援助を受けることが難しい、という要件があります。

実際の入居条件は施設ごとに違います

「介護型は65歳以上・要介護1以上」と説明されることがありますが、これは全国共通の制度上の入居条件ではありません。 特定施設の指定を受けたケアハウスでは、要支援の方には介護予防特定施設入居者生活介護、要介護の方には特定施設入居者生活介護を提供できます。

そのうえで、個々の施設が契約上の入居条件として年齢や要介護度を定めていることがあります。ですから、気になる施設ごとに直接確認してください。

なお、特定施設の指定を受けたケアハウスでは、ホームが介護サービスを包括的に提供する形が基本です。ホームが計画の作成や安否確認などを行い、介護サービスの一部を外部の指定事業者に委託する外部サービス利用型もあります。認知症や看取りへの対応を行っている施設もあります。

居室の広さ

基準では、居室の定員は原則1人とされ、入所者へのサービスの提供上必要と認められる場合に2人とすることができるとされています。2人用の居室にはより広い面積の基準が定められています。

つまり、「夫婦だから二人部屋にできる」という規定ではありません。 一方で、入所対象の規定に配偶者などの年齢の例外があることから、ご夫婦で入所すること自体は制度上想定されています。実際に夫婦用の居室を用意しているかどうかは施設ごとに違いますので、確認してください。ご夫婦での入居先をお探しの方は、別記事「夫婦で入れる老人ホーム」もあわせてご覧ください。

なお、都市部の事情に対応するため、定員・居室の面積・職員の配置などについて特例を設けた「都市型軽費老人ホーム」もあります。

費用は収入に応じて変わる

ここがケアハウスの最大の特徴です。

ケアハウスの利用料は、大きく次のように分かれます。

項目中身決まり方
サービスの提供に要する費用(従来「事務費」と呼ばれてきた費用)職員の人件費など、施設の運営にかかる費用入所者の所得の状況その他の事情を勘案して、都道府県知事が定める額
生活費食材料費、共用部分の光熱水費都道府県知事が定める額を上限として施設が設定
居住に要する費用居室の費用施設ごと
居室の光熱水費居室で使う分施設ごと
介護サービスの自己負担特定施設のサービス、または外部の居宅サービスを使う場合要介護度・負担割合による
その他医療費、日用品、理美容など実費

このうちサービスの提供に要する費用が、所得に応じた負担(応能負担)になっています。所得が低い方ほど、この費用の負担が軽くなる仕組みです。

なお、施設によっては「管理費」「サービス提供費」など別の名称で表示されることがあります。見積もりでは費目の名称だけでなく中身を確認してください。

減額を受けるには申請が要る

自動的に安くなるわけではありません。減額を希望する方は、入所するときと、翌年度以降は年に1回、収入を証明する書類を添えて施設長に申請します。施設長が内容を審査したうえで、減額後の月額を認定します。申請を忘れると減額が反映されないことがあります。 具体的な申請の時期や必要な書類は、施設や自治体によって運用が異なりますので確認してください。

この申請を毎年忘れないことが大切です。 収入が変わったときも、申請の内容に反映されます。

金額は施設と自治体で異なる

サービスの提供に要する費用の額は都道府県知事が定めるものですので、地域によって違います。生活費も都道府県知事が定める額を上限として施設が設定します。居住に要する費用は施設ごとに異なります。

ですから、「ケアハウスはいくら」と一律には言えません。必ず個別の施設に、ご自身の収入の状況を伝えたうえで見積もりを出してもらってください。

介護保険の費用を軽くする仕組みについては、別記事「介護費用を軽くする 2 つの制度|高額介護サービス費と負担限度額認定」にまとめています。費用を抑えた施設探し全般は「費用を抑えて入れる老人ホームの探し方」をご覧ください。

養護老人ホームとの違い

名前が似ていて、いちばん混同されやすいところです。 この2つは、そもそも入る仕組みが違います。

ケアハウス(軽費老人ホーム)養護老人ホーム
入り方ご本人と施設の契約市町村の措置
申し込み先施設へ直接市町村
対象原則60歳以上、自立した日常生活に不安がある方65歳以上で、環境上の理由および経済的な理由により居宅で養護を受けることが困難な方
根拠老人福祉法・軽費老人ホームの基準老人福祉法(措置の制度)

養護老人ホームは、市町村が必要と判断して入所させる制度です。ご自身で施設を選んで申し込む形ではありません。住まいを失った、家族との関係で自宅にいられない、経済的に困窮しているといった事情があるときに、市町村が判断します。

ですから、「養護老人ホームに入りたい」というご相談は、施設ではなく市町村の高齢福祉の窓口へとご案内することになります。

ケアハウスは契約ですので、ご自身で施設を探して申し込めます。まずどちらの話をしているのかを確かめるところから始めてください。

有料老人ホーム・サ高住との違い

費用を抑えたい方が比べる相手として、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅があります。

ケアハウス住宅型有料老人ホーム・一般型サ高住
運営社会福祉法人・地方公共団体など民間の事業者が中心
費用の決まり方サービスの提供に要する費用が所得に応じて変わる施設が設定した額
数限られる多い
入居のしやすさ待機が生じることがある比較的入りやすい
要介護度が上がったとき特定施設の指定がない場合、体制を超えると住み替えになることがある外部サービスを組み合わせて続けられる場合もあるが、対応できる状態は施設ごとに異なる

費用の面ではケアハウスが有利になることが多い一方、数が限られるというのが実情です。希望しても空きがなく、待つことになる場合があります。

そのため、ケアハウスを待ちながら、ほかの選択肢も並行して見ておくという進め方が現実的です。住まいの種類ごとの違いは、別記事「サービス付き高齢者向け住宅と住宅型有料老人ホームの違い」で整理しています。

申し込みと注意点

申し込みの手順

  1. 地域にあるケアハウスを調べる … お住まいの市区町村の高齢福祉の窓口、地域包括支援センターで一覧を教えてもらえます。介護保険を使っている方は担当のケアマネジャーにも相談してください
  2. 施設に直接問い合わせる … 特定施設の指定を受けているか、入居条件、空き状況、空室待ちの見込みを確認します
  3. 収入の状況を伝えて見積もりを出してもらう … サービスの提供に要する費用が所得で変わるため、これをしないと実際の負担額が分かりません
  4. 見学する … 見学のポイントは別記事「老人ホームの見学で社会福祉士が必ず見る 12 のチェック」をご覧ください
  5. 申し込む

注意しておきたいこと

1. 介護が重くなると住み続けられないことがある

特定施設の指定を受けていないケアハウスでは、外部の訪問介護などを個別に契約して利用します。要介護状態になった後も、外部サービスを組み合わせて生活を続けられる場合があります。ただし、必要な介護量や医療対応が施設の体制を超えると、住み替えが必要になることがあります。判断の分かれ目は要介護度が上がったかどうかだけではなく、その施設で安全に生活を続けられるかどうかです。入居前に「どこまでの状態なら住み続けられるのか」を、契約書と重要事項説明書で確認してください(別記事「重要事項説明書の読み方|契約前に必ず確認したい 8 項目」)。

2. 減額の申請を毎年行う

年1回の申請が必要です。忘れると、減額が反映されないことがあります。

3. 数が限られる

地域によっては候補そのものが少なく、待機が生じます。ほかの選択肢と並行して検討してください。

4. 常時の介護を施設内で包括的に提供する施設ではない場合がある

特定施設の指定を受けていないケアハウスは、常時の介護を施設内で包括的に提供する施設ではありません。すでに常時の介護が必要な場合は、外部サービスを組み合わせて生活できるか、施設の受け入れ体制を確認する必要があります。特定施設の指定を受けたケアハウスや、ほかの施設のほうが合っている場合もあります。要介護度別の候補は、別記事「要介護度別の施設の選び方」をご覧ください。

よくあるご質問

Q. ケアハウスの入居条件を教えてください。

A. ケアハウスは軽費老人ホームの一種です。基準では、身体機能の低下などにより自立した日常生活を営むことに不安があり、家族による援助を受けることが困難な方で、原則60歳以上の方が対象とされています。配偶者や三親等内の親族など、一緒に入所させることが必要と認められる方については、60歳未満でも対象になり得ます。要介護認定を受けていなくても入居できる点が、特別養護老人ホームとの大きな違いです。なお、ケアハウスの中には特定施設入居者生活介護などの指定を受けている施設もあり、介護の受け方が変わります。実際の入居対象の年齢や要介護度は施設ごとに定められていますので、個別にご確認ください。

Q. 費用はどれくらいかかりますか。

A. 利用料はサービスの提供に要する費用(従来「事務費」と呼ばれてきた費用)・生活費・居住に要する費用などで構成されます。このうちサービスの提供に要する費用は、入所者の所得の状況その他の事情を勘案して都道府県知事が定める額とされており、所得が低い方ほど負担が軽くなります。生活費も都道府県知事が定める額を上限として施設が設定します。減額を希望する場合は、入所時と翌年度以降は年に1回、収入を証明する書類を添えて施設長に申請します。実際の金額は施設と自治体によって異なりますので、必ず個別にご確認ください。

Q. 養護老人ホームとは何が違いますか。

A. 入る仕組みが違います。 ケアハウスはご本人と施設が契約して入居します。一方、養護老人ホームは老人福祉法にもとづき、市町村が必要と判断して入所させる措置の制度です。65歳以上で、環境上の理由と経済的な理由により居宅で養護を受けることが困難な方が対象で、申し込みの窓口は市町村になります。名前が似ていて混同されやすいので、どちらを指しているか確かめてから進めてください。

Q. 要介護度が上がっても住み続けられますか。

A. 特定施設の指定を受けているかどうかで変わります。指定を受けたケアハウスは介護サービスを包括的に提供しますので、住み続けやすい形です。指定を受けていないケアハウスでも、外部の訪問介護などを組み合わせて生活を続けられる場合があります。ただし、必要な介護量や医療対応が施設の体制を超えると、住み替えが必要になることがあります。入居前に、どこまでの状態なら住み続けられるのかを契約書と重要事項説明書で確認してください。

Q. どこに申し込めばよいですか。

A. ケアハウスは施設へ直接申し込みます。数が限られており、地域によっては待機が生じます。まずはお住まいの市区町村の高齢福祉の窓口や地域包括支援センターで、地域にあるケアハウスの一覧を教えてもらうとよいでしょう。介護保険を使っている方は担当のケアマネジャーにも相談してください。なお養護老人ホームを希望する場合は、施設ではなく市町村が窓口です。

まとめ

ケアハウスについて、大切な点を振り返ります。

  1. ケアハウスは軽費老人ホームの一種です。現在の基準では「C型」という区分は使われていません
  2. 対象は原則60歳以上で、自立した日常生活に不安があり、家族の援助を受けることが困難な方。配偶者や三親等内の親族などには年齢の例外があります
  3. 要介護認定がなくても入居できます。ここが特養との大きな違いです
  4. 制度上の分かれ目は特定施設の指定を受けているかです。「一般型」「介護型」は法令上の類型名ではありません。実際の入居条件は施設ごとに確認してください
  5. 費用のうちサービスの提供に要する費用は所得に応じて変わり、低い方ほど負担が軽くなります
  6. 減額には申請が必要。入所時と、翌年度以降は年1回です
  7. 養護老人ホームは市町村の措置で入る別の制度。窓口も違います
  8. 介護が重くなり施設の体制を超えると住み替えになることがあります。契約書で確認してください
  9. 数が限られるため、ほかの選択肢と並行して検討します

費用を抑えたい、けれど特別養護老人ホームはまだ申し込めない——そんなときに、ケアハウスは有力な候補になります。地域にどんな施設があるか分からないときは、お気軽にご相談ください。

参考文献・公的資料

  1. 軽費老人ホームの設備及び運営に関する基準(平成20年厚生労働省令第107号)第10条(居室の定員は原則1人、サービス提供上必要と認められる場合は2人)、第13条(対象者。原則60歳以上、配偶者・三親等内の親族等の例外)、第14条(入退所)、第16条(利用料の受領。サービスの提供に要する費用は所得の状況等を勘案して都道府県知事が定める額、生活費は都道府県知事が定める額を上限)、第20条(居宅サービス等の利用)、第34条以下(都市型軽費老人ホーム)、附則第2条(経過的軽費老人ホーム=A型・B型)(厚生労働省法令等データベース、2026年9月閲覧)
  2. 厚生労働省「軽費老人ホームの設備及び運営について」(社老第24号)— 事務費の減額の申請手続。旧通知のため「管理費」「事務費」という旧来の用語が用いられている(2026年8月閲覧)
  3. 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」— 特定施設入居者生活介護および介護予防特定施設入居者生活介護(2026年9月閲覧)
  4. 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第11条 — 養護老人ホームへの入所等の措置(e-Gov 法令検索、2026年8月閲覧)

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