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コラム施設の基礎知識ご家族向け

要介護度別の施設の選び方
— 候補になる施設と見るべき点を社会福祉士が解説 —

「要介護 3 になったけれど、どんな施設が選べるのだろう」。施設を探しはじめると、要介護度によって入れる施設が違うと聞いて、どこから考えればよいか迷う方は多いものです。 本記事では、要介護度ごとに候補になる施設 のめやすと、要介護度だけでは決まらない、見るべき点 を、社会福祉士が整理しました。
掲載日:2026.07.06|監修:社会福祉士・入居相談員
この記事の答え

要介護度は施設選びの出発点になりますが、それだけで決まるわけではありません。要介護度で候補をしぼり、そこから医療・認知症・費用・希望を合わせて選んでいきます。

特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護 3 以上、介護老人保健施設(老健)は要介護 1 以上、認知症のグループホームは要支援 2・要介護 1 以上で認知症の診断がある方、といった入居のめやすがあります。介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅は、幅広い要介護度の方が入居できます。要介護度が上がっても住み続けやすいのは、24 時間介護の付く施設です。要介護度は候補をしぼる目安として使い、医療の必要度・認知症の有無・費用・立地・ご本人の希望を合わせて、施設ごとの中身で選んでいきましょう。
中川 優美(社会福祉士・入居相談員)
この記事の監修者

中川 優美Yumi Nakagawa

社会福祉士。ふれあい入居サポートセンター葛飾相談室にて、入居相談を担当。要介護度に合わせた施設探しのご相談を数多く受け、ご本人の状態とご希望に合わせて候補の絞り込みをサポートしている。
社会福祉士(国家資格)ふれあい入居サポートセンター 葛飾相談室高齢者向け住まい紹介事業者届出 25-0881
編集ポリシー:本記事の入居要件・施設類型の説明は、厚生労働省の公開情報(2026 年 7 月に確認)に基づいています。入居のめやすは原則であり、施設や自治体の運用によって異なる場合があります。医療上の判断は主治医や施設の嘱託医にご相談いただく前提で整理しています。本記事内の事例はイメージで、特定の個人を表すものではありません。

要介護度は出発点

要介護度は、施設選びの出発点になります。施設によって「原則、要介護 3 以上」といった入居のめやすがあるからです。ただし、要介護度だけで入る施設が決まるわけではありません。医療の必要度や認知症の有無、費用、ご本人の希望も合わせて考えます。

まずは、要介護度ごとに候補になる施設のめやすを、表で見てみましょう。

要介護度のめやす候補になる施設の例
要支援〜要介護 2(比較的軽度)住宅型有料老人ホーム、サ高住、ケアハウス、介護付き有料老人ホーム(認知症ならグループホームも)
要介護 3 以上(介護の必要が大きい)特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム(リハビリ目的なら老健)
医療的なケアが多い介護医療院、医療と連携した施設

この表はあくまでめやすです。次の章から、順に見ていきましょう。

要介護度とは

要介護度は、介護がどのくらい必要かを、要支援 1・2 と、要介護 1 から 5 までの段階で表したものです。数字が大きいほど、介護の必要が大きいことを示します。市区町村に申請し、調査と審査を経て決まります。申請から結果までの流れは、別記事「要介護認定の申請から結果までの流れ」で詳しく解説しています。

要介護度は、介護保険で使えるサービスの上限(区分支給限度基準額)にも関わり、要介護度が上がるほど上限も大きくなります。施設を選ぶときは、この要介護度が、入居できる施設のめやすのひとつになります。

要介護度別の候補施設

要支援〜要介護 2(比較的軽度)

比較的自立している方や、介護の必要が大きくない方は、選べる施設の幅が広くなります。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、自由度が高く、外部の介護サービスを使いながら暮らせます。ケアハウス(軽費老人ホーム)も候補です。介護付き有料老人ホームにも、要介護 1・2 の方が入居できます。サ高住と住宅型の違いは、別記事「サ高住と住宅型有料老人ホームの違い」で整理しています。

要介護 3 以上(介護の必要が大きい)

介護の必要が大きくなると、24 時間の介護が付く施設が中心になります。費用を抑えたい場合は特別養護老人ホーム(特養)が候補で、原則として要介護 3 以上が対象です。介護も医療的な見守りもまとめて任せたい場合は、介護付き有料老人ホームが候補になります。入院のあとにリハビリで在宅復帰を目指す段階なら、介護老人保健施設(老健)という選択肢もあります。特養と介護付き有料老人ホームの違いは、別記事「特養と介護付き有料老人ホームの違い」をご覧ください。

認知症がある場合

認知症の診断がある場合は、要支援 2・要介護 1 以上で、認知症の方が少人数で暮らすグループホームが候補になります。認知症のある方の施設選びは、別記事「認知症で徘徊がある親の施設選び」でも解説しています。医療的なケアが多い場合は、別記事「医療依存度が高い親の入居先」も参考になります。

要介護度以外に見るべき点

要介護度で候補をしぼったら、次の点を合わせて考えると、合う施設が見えてきます。

  • 医療の必要度:たんの吸引や経管栄養など、医療的なケアが続いているか
  • 認知症の有無:認知症のケアに慣れた施設かどうか
  • 費用:月額の内訳と、要介護度が上がったときの見込み
  • 立地:ご家族が通いやすいか
  • 本人の希望:どんな暮らしを望んでいるか

とくに大切なのは、「要介護度が上がっても住み続けられるか」です。介護を外部サービスで受ける施設では、重度になると住み替えが必要になる場合があります。将来を見据えて、入居前に確認しておきましょう。

よくあるご質問

Q. 要介護度で、入れる施設は決まりますか。

A. 要介護度は、施設選びの出発点になりますが、それだけで決まるわけではありません。たとえば特別養護老人ホーム(特養)は原則要介護 3 以上が対象、といった入居のめやすはあります。ただし、実際には医療の必要度、認知症の有無、費用、ご本人の希望なども合わせて考えます。要介護度は候補をしぼる目安として使い、そこから中身で選んでいくとよいでしょう。

Q. 要介護 1・2 でも入れる施設はありますか。

A. あります。介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスなどは、要介護 1・2 の方も入居できます。認知症の診断がある場合は、要支援 2・要介護 1 以上でグループホームも候補になります。特別養護老人ホームは原則要介護 3 以上ですが、認知症で日常生活に支障がある場合などは特例で入れることもあります。

Q. 要介護度が上がったら、施設を移らないといけませんか。

A. 必ずしも移る必要はありません。24 時間の介護が付く介護付き有料老人ホームや、特別養護老人ホームなどは、要介護度が上がっても住み続けやすい施設です。一方、介護を外部サービスで受ける住宅型有料老人ホームやサ高住では、重度になると住み替えが必要になる場合があります。将来を見据えるなら、要介護度が上がっても住み続けられるかを、入居前に確認しておくと安心です。

まとめ

要介護度別の施設選びは、要介護度を出発点にしながら、中身で決めていくのがこつです。最後に要点を整理します。

  1. 要介護度は候補をしぼる目安です。特養は原則要介護 3 以上、老健は要介護 1 以上などのめやすがあります
  2. 要支援〜要介護 2 は選べる幅が広く、要介護 3 以上は 24 時間介護の施設が中心になります
  3. 要介護度に加えて、医療・認知症・費用・立地・本人の希望を合わせて選びます

要介護度をきっかけに考えはじめると、候補が整理しやすくなります。どこから手をつければよいか迷われたときは、お気軽にご相談ください。ふれあい入居サポートセンターでは、社会福祉士などの専門の相談員が無料でご相談を承っています。

参考文献・公的資料

  1. 厚生労働省「介護保険制度の概要」「要介護認定」(2026 年 7 月確認)
  2. 各施設類型の入居要件は厚生労働省の関係省令・通知に基づく原則です。実際の受け入れは施設・自治体の運用により異なります。

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