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サ高住と住宅型有料老人ホームの違い
— 比較と選び分けを社会福祉士が解説 —

施設を調べていると、「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」と「住宅型有料老人ホーム」という、似ているようで違う名前が出てきて、どう違うのか分かりにくいと感じていませんか。名前だけでは区別がつきにくく、迷ってしまう方も多いところです。 本記事では、この 2 つの違いを、根拠法・契約・必須のサービス・介護の受け方・費用 の 5 つの点で比べ、どちらが向いているかの選び分けまで、社会福祉士が整理しました。
掲載日:2026.07.06|監修:社会福祉士・入居相談員
この記事の答え

サ高住は「安否確認と生活相談が必ず付く、賃貸住宅に近い住まい」。住宅型有料老人ホームは「食事などの生活援助を受けながら暮らす有料老人ホーム」です。どちらも介護は外部サービスを使うのが基本です。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は高齢者住まい法にもとづく登録の制度で、安否確認・生活相談が義務づけられています。住宅型有料老人ホームは老人福祉法にもとづく有料老人ホームで、施設が定めた生活支援を受けながら暮らします。大きな共通点は、どちらも介護保険サービスは外部の訪問介護などを個別に契約して利用するのが基本という点です。そのため必要なサービス量が増えると、介護保険の自己負担や保険外サービスの費用が増えることがあります。本記事では、特定施設の指定を受けていない一般型のサ高住と、住宅型有料老人ホームを比べます。なお、提供するサービスの内容によっては、サ高住が老人福祉法上の有料老人ホームにも該当します。最終的には類型名ではなく、施設ごとの中身で選びます。
中川 優美(社会福祉士・入居相談員)
この記事の監修者

中川 優美Yumi Nakagawa

社会福祉士。ふれあい入居サポートセンター葛飾相談室にて、入居相談を担当。サ高住と住宅型有料老人ホームのどちらが合うか、というご相談も多く、ご本人の状態と費用の見通しに合わせてサポートしている。
社会福祉士(国家資格)ふれあい入居サポートセンター 葛飾相談室高齢者向け住まい紹介事業者届出 25-0881
編集ポリシー:本記事の施設類型・制度の説明は、厚生労働省・国土交通省の公開情報(2026 年 7 月に確認)に基づいています。費用や提供サービスは施設ごとに大きく異なります。実際の契約内容・料金は各施設へ直接ご確認ください。本記事内の事例はイメージで、特定の個人を表すものではありません。

違いを一覧で

まずは、2 つの違いを表で見比べてみましょう。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住・一般型)住宅型有料老人ホーム
根拠となる法律高齢者住まい法老人福祉法(有料老人ホーム)
契約の形賃貸借契約が中心。ただし有料老人ホーム型の利用契約などの場合もあり、契約形態は住宅ごとに確認利用権方式が多い(入居一時金があるところも)
必ず付くサービス安否確認・生活相談施設ごとに定める生活支援(食事の提供がある施設が多い)
介護の受け方外部の訪問介護などを個別に契約外部の訪問介護などを個別に契約
費用の構成家賃・共益費・サービス費が中心入居一時金+月額(施設により幅が大きい)

表のとおり、細かな違いはありますが、どちらも介護保険サービスは外部の訪問介護などを個別に契約して利用するのが基本という点は共通しています。ただし、住宅の職員が介護保険外の生活支援や介助を行っている場合もあります。

ここでいう「外部のサービス」とは、建物の中にある事業所や、同じ法人が運営する事業所を使う場合でも、原則として住まいとは別に契約する という意味です。ここが、夜間を含めて施設の介護職員などが配置され、施設の介護サービスとして対応する介護付き有料老人ホームとの大きな違いです。

そのため、見学のときには次の 3 点を確かめておくと安心です。

  • 併設されている事業所の利用は 必須なのか、選べるのか
  • いま利用しているケアマネジャーや訪問介護を 続けられるか
  • ほかの法人の事業所を選べるか

それぞれの基本

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、高齢者住まい法にもとづいて登録される、バリアフリーの住まいです。ケアの専門家が日中は建物にいて、安否確認(状況把握)と生活相談を行うことが義務づけられています。契約は賃貸借が中心ですが、住宅によっては有料老人ホーム型の利用契約などの場合もあります。

安否確認については、確認の頻度、夜間の対応、居室内で倒れた場合に気づける仕組み を確かめてください。「日中は職員がいる」という説明も、日中の常駐の時間、夜間は誰につながるのか、職員が駆けつけるのか、救急要請だけなのか まで聞いておくと、実際の安心感がつかめます。

比較的自立度の高い方向けの住宅が多い一方、重度の方に対応する住宅もあります。介護そのものは、外部のサービスを個別に契約して使います。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、老人福祉法にもとづく有料老人ホームの一種で、食事・家事・健康管理などの生活支援のうち、施設が定めたサービスを提供する 住まいです。介護が必要になった場合は、サ高住と同じく、外部の訪問介護や通所介護などを個別に契約して利用します。

「住宅型だから生活援助が手厚い」とは限りません。職員の配置も提供するサービスの範囲も施設ごとに異なり、生活支援の範囲は類型名だけでは判断できません。実際、住宅型有料老人ホームには、自立している方向けの施設、要介護の方が中心の施設、認知症に対応する施設、医療依存度の高い方を受け入れる施設、看取りに対応する施設など、さまざまな運営の形があります。

5 つの違い

1. 契約の形

サ高住は賃貸借契約が中心です。長期入院したという事実だけを理由に、事業者が一方的に契約を解除しないこと が登録の基準で求められています(どんな場合でも契約を解除できない、という意味ではありません)。

住宅型有料老人ホームは、入居一時金を払って住む権利を得る「利用権方式」が多く、施設ごとに契約の内容が異なります。

なお、サ高住の 前払家賃 と、有料老人ホームの 入居一時金 は別のものです。どちらも返還のルールがありますが、「ルールがあるから安心」と考えるのではなく、具体的な計算式を契約書で確認 してください。契約前には、退去するときのお金の扱いを、どちらもよく確かめておきましょう。

2. 必ず付くサービス

サ高住は、安否確認と生活相談が必ず付きます。住宅型有料老人ホームは、食事などの生活援助が中心ですが、その範囲は施設によって幅があります。「何がどこまで付いているのか」を、パンフレットの言葉だけでなく、具体的に確かめることが大切です。

3. 介護の受け方

ここは 2 つの共通点です。どちらも、外部の訪問介護や通所介護などを、ご本人が個別に契約して利用します。必要なサービス量が増えると、介護保険の自己負担や保険外サービスの費用が増えることがあります。

介護度が上がったときに大切なのは、費用だけではありません。必要な介護を居宅サービスの組み合わせで確保できるか、ケアマネジャーや事業者との調整が必要になります。とくに 夜間に頻回の介助が必要な場合 は、夜間の職員配置だけでなく、誰がどの契約にもとづいて介助するのか を確認してください。

あわせて、要介護度が上がった場合・長期入院した場合・認知症の症状が強くなった場合 に住み続けられるかを、契約書と重要事項説明書で確かめておくと安心です。

4. 費用の構成

サ高住は、家賃・共益費・サービス費という構成が中心です。住宅型有料老人ホームは、入居一時金があるところとないところがあり、月額の設定も施設によって大きく異なります。

気をつけたいのは、広告に出ている月額がそのまま総額とは限らない ことです。サ高住では、表示されている月額に食費や介護の費用が含まれていないことがあります。住宅型でも、月額利用料のほかに訪問介護や生活支援の費用が加わることがあります。いまの状態での総額と、要介護度が上がった場合の総額 の両方を見積もってもらってください。

なお、特別養護老人ホームなどの食費・居住費を軽くする負担限度額認定は、サ高住も住宅型有料老人ホームも 住まいの費用については対象外 です。ただし、介護保険サービスの自己負担 については、高額介護サービス費などの軽減が使える場合があります。詳しくは別記事「高額介護サービス費と負担限度額認定」をご覧ください。

5. 向いている人

大まかには、自立から軽度で、自由に暮らしながら見守りがほしい方はサ高住、食事などの生活支援を受けながら暮らしたい方は住宅型有料老人ホームが、ひとつの目安になります。ただし、これはあくまで傾向です。サ高住にも重度の方に対応する住宅があり、住宅型有料老人ホームにも重度の方を長く支えている施設があります。実際には施設ごとの中身で決まります。

もうひとつ分けて考えたいのが、「住まいとしての安定」と「住み続けられる介護の体制」は別のもの だという点です。サ高住で契約のうえでの居住の安定が確保されていても、必要な介護や医療をその住宅で確保できるとは限りません。

選び分けの考え方

どちらが合うかは、ご本人の状態とご希望によります。ケース別に整理します。

まだ自立していて、見守りがあれば安心という場合

自分のペースで暮らしたいけれど、ひとり暮らしは不安、という方には、賃貸住宅に近く自由度の高いサ高住が向いていることがあります。

食事や生活の援助を受けながら暮らしたい場合

家事や食事の用意が負担になってきた方には、生活援助が付く住宅型有料老人ホームが合うことがあります。

介護が重くなりそう、夜間の介護も必要という場合

将来的に介護が重くなりそうなら、外部サービスに頼るこの 2 つより、24 時間の介護が付く介護付き有料老人ホームや、特別養護老人ホームなども含めて考えるほうが安心です。施設のタイプごとの違いは、別記事「特養と介護付き有料老人ホームの違い」で整理しています。医療的なケアが必要な場合は、別記事「医療依存度が高い親の入居先」も参考になります。

よくあるご質問

Q. サ高住と住宅型有料老人ホームは、何がいちばん違いますか。

A. いちばんの違いは、制度上の入口と、最低限義務づけられているサービスです。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は高齢者住まい法にもとづく登録の制度で、安否確認と生活相談が必ず付きます。住宅型有料老人ホームは老人福祉法にもとづく有料老人ホームの一種で、施設が定めた生活支援を受けながら暮らします。サ高住の契約は賃貸借が中心ですが、ほかの形態のこともあり、提供するサービスによってはサ高住が有料老人ホームにも該当します。どちらも介護保険サービスは外部の事業所と個別に契約して利用するのが基本、という点は共通しています。

Q. どちらのほうが費用は安いですか。

A. 一概には言えません。サ高住は家賃・共益費・サービス費という構成が多く、住宅型は入居一時金があるところとないところがあります。どちらも介護が必要になると、外部の訪問介護などの自己負担が別にかかります。総額は施設ごとに大きく異なりますので、月額の内訳と、介護が重くなったときの見込みを含めて比べることが大切です。

Q. 介護が重くなっても住み続けられますか。

A. どちらも介護保険サービスは外部の事業所と契約して使うため、必要なサービス量が増えると、費用や調整の負担が大きくなることがあります。ただし、類型名だけでは判断できません。確認したいのは、いま受け入れ可能な介護度ではなく、将来的に夜間の排せつ介助・二人での介助・認知症の症状・医療処置・看取りに対応できるかどうかと、契約上の退去の条件です。将来を見据えるなら、夜間を含めて施設の介護職員などが配置される介護付き有料老人ホームや、特別養護老人ホームなども含めて検討するとよいでしょう。

Q. 食事は必ず付いていますか。

A. どちらも、制度上すべての住宅・施設で食事の提供が必須というわけではありません。実際には食事を提供するところが多いのですが、確認は必要です。食事が毎食付くのか、提供の回数、外出時や体調不良で食べなかったときの扱い、きざみ食やペースト食などの介護食に対応できるか、費用はいくらかを、施設ごとに確かめておくと安心です。

まとめ

サ高住と住宅型有料老人ホームは、名前は似ていますが、成り立ちと中身が違います。最後に要点を整理します。

  1. サ高住は「安否確認と生活相談が必ず付く、賃貸住宅に近い住まい」です
  2. 住宅型有料老人ホームは「食事などの生活援助を受けながら暮らす有料老人ホーム」です
  3. どちらも介護は外部サービスを使うため、介護が重くなりそうなら介護付き有料老人ホームや特養も含めて考えます

名前だけでは分かりにくい 2 つですが、契約とサービスの中身を確かめれば、選び分けはできます。迷われたときは、お気軽にご相談ください。ふれあい入居サポートセンターでは、社会福祉士などの専門の相談員が無料でご相談を承っています。

参考文献・公的資料

  1. 国土交通省・厚生労働省「サービス付き高齢者向け住宅」制度概要(高齢者住まい法。2026 年 7 月確認)
  2. 厚生労働省「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」(住宅型有料老人ホーム。2026 年 7 月確認)
  3. 費用・提供サービスは施設ごとに大きく異なります。実際の契約内容・料金は各施設にご確認ください。

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