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コラム介護のはじめ方ご家族向け

ショートステイの使い方
— 在宅介護の負担を軽くする方法を社会福祉士が解説 —

在宅で介護を続けていると、「少し休みたい」「用事で家を空けたいけれど、親をひとりにできない」という場面が出てきます。そんなときに頼れるのがショートステイ(短期入所)です。うまく使えば、在宅での介護をぐっと続けやすくなります。 本記事では、ショートステイの 使える場面使い方のこつ、そして 施設入居への橋渡し としての活用まで、社会福祉士が整理しました。
掲載日:2026.07.06|監修:社会福祉士・入居相談員
この記事の答え

ショートステイ(短期入所)は、介護をするご家族の休息や、急な用事のときに、短期間だけ施設に泊まって介護を受けられるサービスです。在宅介護を続ける支えになり、施設入居への橋渡しにもなります。

ショートステイは、**ご本人の生活を支えることと、介護をする方の負担を軽くすることの両方を目的とするサービス** です。日常生活の世話を中心とする「短期入所生活介護」と、医学的な管理やリハビリを行う「短期入所療養介護」があります。要支援 1・2 の方は介護予防サービスとして、要介護 1〜5 の方は居宅サービスとして利用できます。介護保険での連続した利用は原則 30 日までで、人気の施設は早めに予約が埋まることもあるため、担当のケアマネジャーに早めに相談しておくのがこつです。
中川 優美(社会福祉士・入居相談員)
この記事の監修者

中川 優美Yumi Nakagawa

社会福祉士。ふれあい入居サポートセンター葛飾相談室にて、入居相談を担当。在宅介護を続けるご家族の負担軽減や、施設入居への橋渡しとしてのショートステイの活用についても、ご相談に応じている。
社会福祉士(国家資格)ふれあい入居サポートセンター 葛飾相談室高齢者向け住まい紹介事業者届出 25-0881
編集ポリシー:本記事のサービスの説明は、厚生労働省の公開情報(2026 年 7 月に確認)に基づいています。利用できる日数・費用・受け入れの条件は、施設や自治体、ご本人の状況によって異なります。具体的な利用は担当のケアマネジャーにご相談ください。医療上の判断は主治医や施設の嘱託医にご相談いただく前提で整理しています。本記事内の事例はイメージで、特定の個人を表すものではありません。

ショートステイとは

ショートステイ(短期入所)は、短期間だけ施設に泊まって、食事や入浴、排せつなどの介護を受けられる、介護保険のサービスです。介護をするご家族が休息をとりたいときや、用事で家を空けるときなどに使えます。

在宅での介護は、休みなく続くと、ご家族の心と体に負担が積み重なっていきます。ショートステイは、その負担を定期的に軽くし、在宅での暮らしを続けやすくするための仕組みです。ご家族が休むことは、決して後ろめたいことではありません。介護を長く続けるために、必要な休みです。

2 つのタイプ

ショートステイには、大きく 2 つのタイプがあります。

タイプ内容主な受け入れ先
短期入所生活介護食事・入浴・排せつなど、日常生活の世話が中心特別養護老人ホームに併設された施設など
短期入所療養介護医学的な管理・リハビリ・医療的なケアにも対応介護老人保健施設・介護医療院・医療機関など

医療的なケアが必要な場合は、処置の内容・回数・行う時間帯 を伝えたうえで、看護職員の配置や夜間の対応を施設ごとに確認します。短期入所療養介護が候補になる場合もあります。ご本人の病状や医療処置に不安がある場合は、主治医から注意事項や必要な情報を確認し、施設へ伝えて ください。

なお、要支援 1・2 の方は介護予防サービスとして、要介護 1〜5 の方は居宅サービスとして利用できます。

どんなときに使うか

ショートステイは、次のような場面で使えます。

  • 介護をするご家族の休息(レスパイト):疲れをためこむ前に、定期的に休む
  • 冠婚葬祭や出張、ご家族の入院など:一時的に家を空けるとき
  • ご家族の体調不良:介護する側が体調をくずしたとき
  • ご本人の暮らしを支える:家とは違う環境で過ごすことが気分転換になる場合もあります。ただし、環境の変化に不安が強い方は、短時間の見学や日中の利用なども含めて慎重に検討します
  • 施設での過ごし方を知る:施設での宿泊や集団での生活がご本人に合うかを考える参考になる場合があります。ただし、本入所の体験利用や入所の予約を意味するものではありません

「困ったときだけ」ではなく、定期的に予定に組み込んでおくと、介護のリズムが作りやすくなります。

使い方のこつ

まずケアマネジャーに相談する

ショートステイは、ご本人・ご家族の希望をうかがったうえで、担当のケアマネジャーが施設と利用の調整を行い、ケアプランに位置づけて手配します。使いたいと思ったら、まずはケアマネジャーに相談しましょう。

利用を始めるまでは、おおむね次の流れになります。

  1. 利用の目的と希望する日をケアマネジャーへ伝える
  2. 空いている居室と受け入れの条件を確認する
  3. ご本人の状態・医療処置・認知症の症状などの情報を提出する
  4. 施設による面談や事前の判定を受ける
  5. 契約と重要事項の説明を受ける
  6. ケアプランに位置づけて利用する

初回は面談や健康情報の提出、契約などが必要になるため、利用の予定がなくても早めに候補を決めておくと安心です。 緊急のときに備えて、候補の施設や連絡先を、平時からケアマネジャーと確認しておきましょう。

費用については、「1 泊いくら」だけでなく、食事の回数、個室か多床室か、送迎、加算を含めた見積もり を確認してください。費用が心配な場合は、負担限度額認定 の対象になるか市区町村に確認してみましょう。介護保険サービスの自己負担には所得区分別の上限(高額介護サービス費)がありますが、食費・滞在費などは別の負担 になります。

あわせて確認しておきたいのが、キャンセルの扱い です。急な体調不良や入院で取りやめた場合、施設の規定により食費などのキャンセル料が発生することがあります。何日前まで無料か、当日の食事代、送迎のキャンセル、感染症による中止の扱いを、契約のときに確かめておいてください。

送迎 についても、行ってもらえるか、対応してもらえる範囲を確認します。範囲外の場合や、医療的な移送が必要な場合は、ご家族の送迎や介護タクシーなどが必要になることがあります。

早めに予約する

人気のある施設は、早めに予約が埋まることがあります。とくに、お盆や年末年始などは混み合います。使いたい時期が決まっているなら、早めにケアマネジャーに伝えておくと安心です。

日数の決まりを知っておく

介護保険での連続した利用は 原則 30 日まで です。31 日目は介護保険給付の対象外となるため、全額が自己負担になる場合があります(31 日目以降は泊まれない、という意味ではなく、給付の扱いが変わるということです)。

また、連続 30 日以内であれば年間を通じて無制限に使えるわけではありません。原則として、認定の有効期間のおおむね半数を超えないよう ケアプランが作られます。ただし、ご本人の心身の状態やご家族の事情から特に必要な場合は、個別に検討されます。利用が長期化しそうなときは、今後の生活の場と支援の方針 を、ケアマネジャーなどと見直してください。

持ち物や薬を準備する

宿泊するので、着替えや洗面用具、飲んでいる薬などを準備します。施設から持ち物のリストをもらえることが多いので、それにしたがって用意しましょう。

薬は、ご家族の判断で別の容器へ移さないでください。 施設の指示にしたがい、ご本人の名前と飲む時点が分かる状態で持参します。

はじめて利用するときは、医療の情報だけでなく、ご本人の生活の習慣や、安心できる関わり方 も施設へ伝えておくと、過ごしやすさが変わってきます。あわせて、ご本人にとっての利用の目的を一緒に考え、理解しやすい言葉や写真を使って説明してください。

施設入居への橋渡し

ショートステイは、将来の施設入居を考えるうえでも役に立ちます。施設での過ごし方に少しずつ慣れることで、「思っていたより悪くなかった」という体験につながり、入居への抵抗が和らぐことがあります。施設入居を拒む親御さんへの向き合い方は、別記事「親が施設入居を拒むとき」でも解説しています。

また、ショートステイで在宅の負担を軽くしているあいだに、落ち着いて施設を探すこともできます。在宅を続けるか、施設に移るかを迷っているときも、まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。最初の相談のしかたは、別記事「ケアマネ・地域包括への最初の相談」が参考になります。

よくあるご質問

Q. ショートステイは、どんなときに使えますか。

A. 介護をしているご家族の休息(レスパイト)のほか、冠婚葬祭や出張、ご家族の体調不良など、一時的に在宅の介護が難しいときに使えます。旅行などの理由でも利用できます。ご本人にとっても、施設での過ごし方に慣れるきっかけになり、将来の施設入居を考えるうえでの橋渡しにもなります。まずは担当のケアマネジャーに相談してみてください。

Q. ショートステイは何日くらい使えますか。

A. 介護保険での連続した利用は原則 30 日までで、31 日目は介護保険給付の対象外となるため全額自己負担になる場合があります。また、連続 30 日以内でも、原則として認定の有効期間のおおむね半数を超えないようケアプランが作られます。人気のある施設は早めに予約が埋まることもあります。ご本人・ご家族の希望をうかがったうえで、ケアマネジャーが施設と利用の調整を行います。急な用事のときも含めて、まずはケアマネジャーに相談しておくと安心です。

Q. 医療的なケアが必要でも、ショートステイは使えますか。

A. ショートステイには、日常生活の世話を中心とする「短期入所生活介護」と、医学的な管理やリハビリを行う「短期入所療養介護」があります。たんの吸引や医療的な管理が必要な場合は、介護老人保健施設や介護医療院などで行う短期入所療養介護が候補になります。ご本人の状態に合うタイプを、ケアマネジャーや主治医と相談して選びましょう。

まとめ

ショートステイは、在宅介護を続けるための、心強い支えになります。最後に要点を整理します。

  1. 短期間だけ施設に泊まって介護を受けられ、ご家族の休息や急な用事のときに使えます
  2. 日常生活の世話が中心のタイプと、医療的な管理に対応するタイプがあります
  3. まずケアマネジャーに相談し、早めに予約すること、施設入居への橋渡しにも使えることを覚えておきましょう

介護は、ご家族が倒れてしまっては続きません。休むことも、大切な介護のひとつです。在宅から施設への切り替えを考えはじめたときは、お気軽にご相談ください。ふれあい入居サポートセンターでは、社会福祉士などの専門の相談員が無料でご相談を承っています。

参考文献・公的資料

  1. 厚生労働省「短期入所生活介護」「短期入所療養介護」制度概要(2026 年 7 月確認)
  2. 利用できる日数・費用・受け入れ条件は施設・自治体・ご本人の状況により異なります。具体的な利用は担当のケアマネジャーにご確認ください。

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