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コラム入居後のフォローご家族向け

サービス担当者会議と家族の関わり方
— 入居後のケアプランを社会福祉士が解説 —

施設に入居すると、「あとは施設にお任せするしかない」と感じる方もいらっしゃいます。ですが、入居後も親御さんには介護の計画(ケアプラン)があり、家族がその内容に関わることができます。 その計画を検討する場が、サービス担当者会議です。本記事では、会議の役割と、施設でケアプランを作る人、家族が意向を伝えるこつ、参加できないときの工夫、見直しのタイミングまでをまとめました。
掲載日:2026.07.11|監修:社会福祉士・入居相談員
この記事の答え

入居後も親御さんにはケアプランがあります。ご本人の意思を中心にしながら、ご家族も生活歴や気づき、ご家族が担える支援の範囲を伝えて関わることができます。

サービス担当者会議は、ケアマネジャーが主催し、ケアプランの内容を検討・共有する場です。会議の開き方や参加する方は、居宅サービス計画か施設サービス計画かによって異なります。特養・老健・介護医療院では施設の介護支援専門員が施設サービス計画を、介護付き有料老人ホームなどでは特定施設サービス計画を、住宅型有料老人ホームや一般型サ高住で居宅サービスを利用する場合は居宅のケアマネジャーが居宅サービス計画を作ります。いずれもご本人の意思を中心に作られ、原則としてご本人の同意が必要です。ご家族は、親御さんがふだん話していた希望や暮らしぶり、気になる点、そしてご家族が担える支援の範囲を伝える役割を担います。参加が難しいときは、あらかじめ書面や電話で意向を伝えることもできます。
中川 優美(社会福祉士・入居相談員)
この記事の監修者

中川 優美Yumi Nakagawa

社会福祉士。ふれあい入居サポートセンター葛飾相談室にて、入居相談を担当。入居後のケアプランや、ご家族と施設の関わり方のご相談も含めて、サポートしている。
社会福祉士(国家資格)ふれあい入居サポートセンター 葛飾相談室高齢者向け住まい紹介事業者届出 25-0881
編集ポリシー:本記事は、サービス担当者会議・ケアプラン(施設サービス計画・居宅サービス計画)・モニタリングの仕組みについて、介護保険法に基づく運営基準および厚生労働省・WAM NET の公開情報に基づいて執筆しています(2026 年 7 月に確認)。会議の開催方法や頻度は、施設・サービスの種類によって異なります。実際の進め方は担当のケアマネジャーにご確認ください。本記事内の事例はイメージで、特定の個人を表すものではありません。

まず知っておきたいこと

施設に入居すると、「介護のことは、もう施設にお任せするしかない」と感じる方は少なくありません。ですが、入居後も親御さんには一人ひとりのケアプラン(介護の計画)があり、家族がその内容に関わることができます。まずはそのことを知っておいていただければと思います。

入居後のケアに家族が関わる、いちばん分かりやすい入口が サービス担当者会議 です。この会議は、次のような役割を持っています。

  1. 親御さんに合ったケアプランを、みんなで検討して決めます
  2. 本人・家族・施設の担当者が、同じ方向を向いてケアを進めます
  3. 家族の希望や気づきを、日々のケアに反映してもらう機会になります

ご本人が望む範囲でご家族も情報や意向を伝えることで、ご本人らしい暮らしを考えるための材料が増えます。難しく考える必要はありませんので、気軽に関わっていきましょう。

サービス担当者会議とは

サービス担当者会議は、ケアマネジャー(正式には介護支援専門員)が主催し、ケアプランを検討・共有するための話し合いの場です。ケアプランを新しく作るときや、内容を大きく見直すときに開かれます。

なお、会議の開き方や参加する方は、居宅サービス計画か施設サービス計画かによって異なります。開催の方法も、対面のほか、オンライン、担当者への照会など、状況に応じた形で行われます。

会議には、次のような人が集まります。

  • 親御さん本人
  • 家族
  • ケアプランを作るケアマネジャー
  • 介護や看護の担当者(施設の職員、訪問看護の看護師など)
  • 必要に応じて、リハビリの担当者など

主治医については、必要に応じて情報提供や意見の照会が行われます。毎回、医師が会議に出席するとは限りません。

この場で、親御さんの体の状態や暮らしの希望をもとに、「どんなケアをしていくか」を確かめ合います。専門職だけで決めるのではなく、ご本人の意思を中心に、ご家族の情報も踏まえて計画を作ることが基本になっています。

会議のあとは、ケアプランの内容について説明を受け、ご本人が内容を確認して同意 します。作成された計画は、ご本人に交付されます。原則としてご本人の同意が必要で、ご家族の署名がそのままご本人の同意になるとは限りません。ご本人による確認が難しい場合の取り扱いは、ご本人の意思や代理の権限をふまえて施設に確認してください。

施設に入るとケアプランは誰が作るのか

施設に入ると、ケアプランを作る人は施設のタイプによって変わります。ここは少し分かりにくいところなので、整理しておきます。

施設のタイプケアプランを作る人計画の呼び方
特養・老健・介護医療院施設の介護支援専門員施設サービス計画
介護付き有料老人ホーム・特定施設の指定を受けたサ高住施設の計画作成担当者である介護支援専門員特定施設サービス計画(要支援の方は介護予防特定施設サービス計画)
住宅型有料老人ホーム・一般型サ高住(居宅サービスを利用する場合)居宅介護支援事業所のケアマネジャー居宅サービス計画

特養や介護付き有料老人ホームなどでは、施設のなかの介護支援専門員が計画を作ります。一方、住宅型有料老人ホームや一般型サ高住で、訪問介護などの居宅サービスを利用する場合は、原則として居宅のケアマネジャーが居宅サービス計画を作ります。居宅サービス計画をもとに、各サービス事業所がそれぞれ個別の計画を作る場合もあります。 グループホームや、特定施設の指定を受けたケアハウスなども、施設内の計画作成担当者が個別の計画を作ります。

なお、施設が独自に作る生活支援の計画と、介護保険のケアプランは別のものです。

どのタイプでも共通しているのは、ご本人の意思を中心に、ご家族の情報も踏まえて計画が作られるという点です。誰が担当するのか分からないときは、施設の管理者・相談担当者・ケアマネジャーに「介護保険のケアプランは誰が担当していますか」と聞いてみてください。

家族が会議でできること

会議に参加するとき、「専門的なことは分からないから」と身構える必要はありません。家族にしか伝えられない、大切な情報があります。

伝えるとよいのは、たとえば次のようなことです。

  • 親御さんが ふだん話していた希望 や、表情・反応から分かる好み
  • これまでの 生活の様子や好きなこと(食べ物、趣味、大切にしてきた習慣)
  • 家族として 気になっている点(最近元気がない、この動作がつらそう など)
  • ご家族が担える支援の範囲(できること、難しいこと)

ここで大切なのは、ご本人の希望と、ご家族自身の希望を分けて伝える ことです。「本人は◯◯と話していました」「家族としては△△を希望します」と区別して話すと、ご本人の意思を考えやすくなります。

ご本人が会議に参加できない場合も、日頃の発言・表情・これまでの暮らしなどから意思を確かめ、計画に反映していきます。

「食事をもっと楽しんでほしい」といった素朴な願いも、ケアプランを考えるうえで大切な材料になります。専門用語で話す必要はありませんので、ふだんの言葉で伝えてください。ただし、希望を伝えれば必ずそのとおりになる、というものではありません。ご本人の意思、安全性、専門職の評価をふまえて、実現できる方法を話し合っていきます。

なお、会議に参加する範囲や情報を共有する範囲は、ご本人の意向と個人情報の保護をふまえて 確認します。オンラインでの参加を希望する場合は、施設が対応できるかと、ご本人のプライバシーを守れる環境かを確かめてください。

あわせて、会議はケアプランの内容を確かめる場でもあります。分からないことがあれば、その場で質問して構いません。ご家族が会議に関わることは、ケアをご家族へ再び背負わせることではありません。 施設が担う支援と、ご家族が無理なくできる関わりを分けて話し合いましょう。

参加できないときの関わり方

仕事や遠方に住んでいるなどの事情で、会議に参加できないこともあります。そのときも、関わり方はあります。

  • あらかじめ、ケアマネジャーに 希望や気になる点を電話や書面で伝えておきます
  • 会議は、参加が難しい場合に 書面で意見を求める形 で進められることもあります
  • 会議のあとで、内容やケアプランの説明を受ける ことができます

参加できないからといって、家族の意向が届かないわけではありません。事前に伝えておけば、会議の場で共有してもらえます。遠慮せず、「参加は難しいけれど、こう考えている」とケアマネジャーに伝えておきましょう。遠距離での関わり方は、別記事「遠距離・疎遠の家族による施設探し」も参考になります。

ケアプランの見直しのタイミング

ケアプランは、一度作ったら終わりではありません。親御さんの状態や暮らしに合わせて、見直されていきます。

見直されるのは、主に次のようなときです。

  • 親御さんの 体調や要介護度が変わった とき
  • できることや、困りごとに 変化があった とき
  • 定期的な確認(モニタリング)のなかで、計画の見直しが必要と判断されたとき

ケアマネジャーは、暮らしの様子を定期的に確認しています(確認の頻度は、居宅か施設かによって異なります)。ご家族の側から「最近こういう様子が気になる」と感じたときも、ケアマネジャーに見直しを相談できます。要介護度が変わるまで待つ必要はありません。 認定の更新や区分変更のときにも、計画を見直す必要があるか検討します。日常の気づきはケアマネジャーへ、緊急性のある変化はその場で施設の職員へ伝えてください。

ケアプランの説明を受けても納得できない場合は、ご本人の希望がどう確認されたか、その支援方法を選んだ理由、ほかの方法はないか、いつ評価するのかを確認してみてください。それでも改善しない場合は、施設の管理者や苦情相談窓口、居宅介護支援事業所の管理者、市区町村の介護保険担当課、国民健康保険団体連合会などに相談できる場合があります(ご家族が希望したサービスをすべて実施させられるという意味ではなく、説明・ご本人の意思・安全性・契約の内容を確認するための相談です)。容体が大きく変わり、住み替えも視野に入るときは、別記事「入居後に容体が変わったら」もあわせてご覧ください。

よくあるご質問

Q. サービス担当者会議には家族も参加できますか。

A. 参加を相談できます。住宅型有料老人ホームや一般型サ高住などで居宅サービスを利用する場合は、ご本人・ご家族の参加を基本として会議が行われます。特養などの施設サービス計画では運用が異なりますので、参加を希望する場合は施設のケアマネジャーへお伝えください。ご家族は、親御さんがふだん話していた希望やこれまでの暮らしぶり、気になっていることを伝える 大切な役割 を担います。日程が合わないときは、あらかじめ相談してみてください。

Q. 施設に入ったあと、ケアプランは誰が作るのですか。

A. 特養・老健・介護医療院では施設の介護支援専門員が施設サービス計画を、介護付き有料老人ホームなどでは施設の計画作成担当者が特定施設サービス計画(要支援の方は介護予防特定施設サービス計画)を作ります。住宅型有料老人ホームや一般型サ高住で居宅サービスを利用する場合は、原則として居宅介護支援事業所のケアマネジャーが居宅サービス計画を作ります。いずれの場合も ご本人の意思を中心に 作られ、ご家族も情報や意向を伝えることができます。原則としてご本人の同意が必要で、作成された計画はご本人に交付されます。

Q. 会議で何を伝えればよいですか。

A. 親御さんの希望や困っていること、これまでの生活の様子や好きなこと、家族として気になっている点を伝えるとよいでしょう。専門的な言葉で話す必要はありません。「食事をもっと楽しんでほしい」「歩く力を保ってほしい」といった 素朴な願い も、ケアプランを考えるうえで大切な材料になります。

Q. 仕事などで会議に参加できないときはどうすればよいですか。

A. 参加が難しいときは、あらかじめケアマネジャーに希望や気になる点を電話や書面で伝えておく方法があります。会議は、参加が難しい場合に 書面で意見を求める形 で進められることもあります。あとから会議の内容やケアプランの説明を受けることもできますので、遠慮なくお願いしてみてください。

Q. ケアプランはどのくらいの頻度で見直されますか。

A. ケアプランは、親御さんの状態が変わったときや、定期的な確認のなかで見直されます。ケアマネジャーは、暮らしの様子を定期的に確認(モニタリング)しており、必要に応じて計画を作り直します。体調や気持ちに変化を感じたときは、家族からケアマネジャーに見直しを相談することもできます。

まとめ

サービス担当者会議と家族の関わり方について、大切な点を振り返ります。

  1. 入居後も親御さんには ケアプランがあり、家族が関われます
  2. サービス担当者会議は、ケアマネジャーが主催する ケアプランを検討・共有する場 です。参加については、居宅か施設かで運用が異なるため、担当のケアマネジャーに相談します
  3. ケアプランを作る人は施設のタイプで変わりますが、本人と家族の意向を踏まえて 作られます
  4. 会議では、親御さんの希望や暮らしぶり、気になる点を ふだんの言葉で伝えれば十分 です
  5. 参加できないときは書面や電話で意向を伝えられ、ケアプランは状態に合わせて見直されます

「施設にお任せ」ではなく、「一緒に考える」姿勢で関わることで、親御さんの暮らしはより本人らしいものになっていきます。施設との関わり方に迷ったときは、お気軽にご相談ください

参考文献・公的資料

  1. 指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第38号)— サービス担当者会議・モニタリングに関する定め(e-Gov 法令検索、2026年7月閲覧)
  2. 厚生労働省・WAM NET「ケアマネジメント」「施設サービス計画・居宅サービス計画」(2026年7月閲覧)
  3. 会議の開催方法・頻度は施設・サービスの種類により異なります。実際の進め方は担当のケアマネジャーにご確認ください。

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