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コラム介護のはじめ方ご家族向け

ケアプランの見直しと施設への引き継ぎ
— 在宅から入居へ切り替えるときの流れを解説 —

在宅での介護から施設入居へ切り替えるとき、「いま使っているケアプランはどうなるのか」「担当のケアマネジャーは続けて見てくれるのか」と、気になることが出てきますよね。 本記事では、在宅から施設へ移るときのケアプランの見直しと引き継ぎの流れを、社会福祉士の視点で整理しました。だれが何をするのかが分かれば、安心して入居の準備を進められます。
掲載日:2026.06.28|監修:社会福祉士・入居相談員
この記事の答え

入居先の種類によって、ケアプランと担当者の扱いが異なります。特養等では施設サービス計画へ、介護付き有料老人ホームでは特定施設サービス計画へ切り替わります。住宅型有料老人ホームや一般型のサ高住では、入居後も居宅サービス計画を利用することがあります。

入居先の種類によって、ケアプランと担当者の扱いが異なります。特養などでは施設サービス計画へ、介護付き有料老人ホームでは特定施設サービス計画へ切り替わります。住宅型有料老人ホームや一般型のサ高住では、入居後も居宅サービス計画を利用することがあります。これまでの経過やご本人の希望は、ご本人の同意を得たうえで、担当のケアマネジャーから施設へ引き継がれます。ご家族からも本人の人柄や暮らしぶりを伝えていただけると、より具体的な支援につながります。在宅サービスの停止の調整も、担当ケアマネジャーが中心に進めます。
中川 優美(社会福祉士・入居相談員)
この記事の監修者

中川 優美Yumi Nakagawa

社会福祉士。ふれあい入居サポートセンター葛飾相談室にて、入居相談を担当。在宅から施設への切り替えのご相談も多く、ケアマネジャーと連携しながら、ご家族の引き継ぎをサポートしている。
社会福祉士(国家資格)ふれあい入居サポートセンター 葛飾相談室高齢者向け住まい紹介事業者届出 25-0881
編集ポリシー:本記事のケアプラン・ケアマネジメントに関する説明は、厚生労働省の公開情報(介護保険制度の概要・指定居宅介護支援等の運営基準など、2026 年 6 月に確認)に基づいて整理しています。引き継ぎの具体的な進め方は、事業所や施設によって異なります。本記事内の事例はイメージで、特定の個人を表すものではありません。

切り替えの全体像

在宅から施設へ移るときは、ケアプランと担当のケアマネジャーが切り替わります。まず全体像をつかんでおくと、いま何が起きているのかが分かり、落ち着いて準備できます。

在宅のとき施設に入ったあと
ケアプラン居宅サービス計画入居先の種類によって変わります
作る人居宅介護支援事業所のケアマネジャー入居先の種類によって変わります
使うサービス訪問介護・デイサービスなど(外部の事業者)入居先の種類によって変わります

入居先の種類によって、ケアプランと担当者の扱いは次の 3 つに分かれます。

入居先計画担当
特養・老健・介護医療院施設サービス計画施設の介護支援専門員
介護付き有料老人ホーム・特定施設の指定を受けたサ高住特定施設サービス計画施設の計画作成担当者
住宅型有料老人ホーム・特定施設の指定のないサ高住居宅サービス計画(入居後も利用することがあります)居宅介護支援事業所のケアマネジャー

なお、グループホームでは「認知症対応型共同生活介護計画」が作成されます。

つまり、入居をきっかけに「計画」や「担当者」が変わることがあります。これまでの暮らしや希望が途切れないよう、橋渡しをするのが引き継ぎです。引き継ぎがていねいに行われると、入居後の生活が落ち着きやすくなります。

2 つのケアプランの違い

ケアプランとは、本人がどんな暮らしを送りたいかをもとに、必要な介護サービスをまとめた計画のことです。正式には介護サービス計画といいます。在宅と施設では、同じケアプランでも種類が異なります。

  • 居宅サービス計画 在宅で暮らす方のための計画です。訪問介護やデイサービスなど、外部の事業者のサービスを組み合わせて作ります。居宅介護支援事業所のケアマネジャーが担当します
  • 施設サービス計画 施設で暮らす方のための計画です。施設の中で提供される介護を中心に作ります。施設に所属するケアマネジャーが担当します

介護保険施設や介護付き有料老人ホームでは、施設が提供する介護を中心に計画を作ります。住宅型有料老人ホームや一般型のサ高住では、外部の介護サービスを組み合わせます。入居にあたっては、これまでの計画や生活の状況を引き継ぎ、新しい環境に合わせて再アセスメントを行ったうえで計画を作成 します。なお、ケアプランの作成に利用者の費用負担はありません。

見直しのタイミング

ケアプランは一度作って終わりではなく、状態の変化に合わせて見直されます。施設への入居を考え始めるのも、見直しの大切なきっかけのひとつです。

ケアプランが見直される主なタイミングは、次のとおりです。

  • 本人の状態が大きく変わったとき(在宅での生活が難しくなってきたときを含みます)
  • 要介護認定の更新があったとき
  • 要介護度の区分が変わったとき
  • 定期的な見守り(モニタリング)で新しい課題が見つかったとき

在宅での生活に限界を感じ始めたら、それは施設入居も含めて暮らし方を見直すサインかもしれません。担当のケアマネジャーに早めに相談しておくと、ご本人・ご家族の意向を確認したうえで、必要な相談先や施設との連絡調整を支援してもらえる場合があります。「在宅を続けるべきか、施設を考えるべきか」で迷うのは自然なことです。ひとりで結論を出そうとせず、専門家と整理していきましょう。

施設への引き継ぎの流れ

在宅から施設への引き継ぎは、おおむね次のように進みます。だれが動くのかを知っておくと、ご家族として何を準備すればよいかが見えてきます。

  1. 施設入居の方針を、担当のケアマネジャーと共有します 入居を考え始めたら、まず担当のケアマネジャーに伝えます。本人の状態を日頃から知っている立場から、引き継ぎの準備を進めてもらえます
  2. これまでの情報が整理されます 担当のケアマネジャーが、これまでの経過やアセスメント(生活や心身の状態の把握)の情報をまとめます。必要に応じて医療機関と連携し、施設が必要とする医療情報の共有を調整します
  3. 施設へ情報が引き継がれます ご本人の同意を得たうえで、入居後の支援に必要な情報を施設や新しい担当者へ共有します。入居前の面談や情報提供書などにより情報を共有し、状況に応じて関係者による話し合いを行う場合もあります
  4. 在宅サービスの終了を調整します ケアマネジャーと相談して終了日を調整します。必要な解約の手続きは、ご本人・ご家族が各事業者に確認します。あわせて、福祉用具の返却や、施設への持ち込みの可否 も確認しておきます
  5. 入居後、新しい計画が作られます 入居後は、入居先の担当者がご本人やご家族の希望をうかがい、計画を作ります。ご本人に計画を説明して同意を得ることが基本 です

入院中で担当のケアマネジャーがいない場合は、病院の医療ソーシャルワーカーや退院支援の担当者が、ご本人・ご家族と施設との情報共有や退院の調整を支援します。

伝えておきたい情報

引き継ぎでは、担当のケアマネジャーが専門的な情報を整理してくれますが、ご家族だからこそ伝えられることもあります。本人の人柄や暮らしぶりが施設に伝わると、入居後の支援がより具体的になります。

施設に伝えておくとよいのは、たとえば次のようなことです。

  • 本人の希望(どんなふうに過ごしたいか)
  • 一日の生活のリズム(起きる時間、食事、入浴など)
  • 好きなこと・苦手なこと、大切にしている習慣
  • これまでの病気や服薬の経過(お薬手帳のほか、現在の処方の内容、最後に薬を飲んだ日、残っている薬、頓服薬の使い方、アレルギー、薬の管理の方法も伝えます)
  • 認知症がある場合は、落ち着く声かけや、戸惑いやすい場面
  • 家族の連絡先と、緊急時の連絡の順番

こうした情報は、簡単なメモにまとめて施設や担当のケアマネジャーに渡しておくと、口頭だけよりも正確に伝わります。すべてを完璧にそろえる必要はありません。分かる範囲で大丈夫です。

入居後のケアプラン

入居後は、施設のケアマネジャーが施設サービス計画を作り、それに沿って介護が行われます。この計画も、在宅のときと同じように見直されます。

入居してしばらくは、新しい環境に本人がなじめているか、ご家族も気になる時期です。「思っていた暮らしと違う」「もう少しこうしてほしい」と感じることがあれば、遠慮なく施設のケアマネジャーや相談員に伝えてみてください。ケアプランは、本人の状態や希望に合わせて見直すことができます。定期的な見直しのほかに、必要に応じて随時の見直しもできますので、気づいたタイミングで相談して大丈夫です。

入居までの全体の流れは、別記事「老人ホーム入居までの流れと必要書類」でまとめています。あわせてご覧ください。

よくあるご質問

Q. 施設に入ると、在宅のケアプランはどうなりますか。

A. 入居先の種類によって変わります。特養などへ入所する場合は居宅サービス計画が終了し、施設サービス計画に切り替わります。介護付き有料老人ホームでは特定施設サービス計画が作成されます。住宅型有料老人ホームや一般型のサ高住では、入居後も居宅サービス計画を利用することがあります。これまでの経過や本人の希望は、本人の同意を得たうえで、担当のケアマネジャーから施設へ引き継がれるのが一般的です。

Q. 担当のケアマネジャーは施設でも続けて見てくれますか。

A. 在宅を担当していた居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、施設入居にともない担当から外れるのが一般的です。入居後は施設に所属するケアマネジャーが担当します。引き継ぎの段階で、これまでの担当者から施設へ情報が伝えられます。

Q. 施設に伝えておくとよい情報は何ですか。

A. 本人の希望や生活のリズム、好きなこと・苦手なこと、これまでの病気や服薬の経過、家族の連絡先などを伝えておくと、入居後の生活が落ち着きやすくなります。担当のケアマネジャーがこれらを整理して施設へ引き継ぎますが、ご家族からも本人の人柄や暮らしぶりを伝えていただけると、より具体的な支援につながります。

Q. 入居後にケアプランが合わないと感じたら、変えられますか。

A. はい、見直せます。施設のケアプランも、ご本人の状態や意向、ご家族から寄せられた情報などを踏まえて、必要に応じて見直されます。気になることがあれば、施設のケアマネジャーや相談員に伝えてみてください。定期的な見直しのほかに、必要に応じて随時の見直しもできます。

Q. 在宅サービスの解約は誰がやりますか。

A. 在宅で使っていた訪問介護やデイサービスなどの停止・解約の調整は、在宅の担当ケアマネジャーが中心になって進めるのが一般的です。入居日に合わせてサービスを切り替えられるよう、入居が決まったら早めにケアマネジャーへ伝えておくとスムーズです。

まとめ

在宅から施設への切り替えは、引き継ぎのしくみが分かれば、落ち着いて進められます。最後に要点を整理します。

  1. 入居にともない、ケアプランは居宅サービス計画から施設サービス計画へ切り替わります
  2. 担当のケアマネジャーは、入居先の種類と所在地によって、継続する場合と交代する場合があります
  3. これまでの経過や希望は、担当のケアマネジャーが施設へ引き継ぎます
  4. ご家族からも、本人の人柄や暮らしぶりを伝えると、より具体的な支援につながります
  5. 入居後のケアプランも、ご本人の状態や意向、ご家族からの情報を踏まえて見直せます

引き継ぎは、これまでの暮らしを次の場所へつなぐ大切なひと手間です。ご家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや相談員と一緒に進めていけます。お気軽にご相談ください

参考文献・公的資料

  1. 厚生労働省「介護保険制度の概要」(2026年6月閲覧)
  2. 厚生労働省「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」関連告示・通知(2026年6月閲覧)
  3. 引き継ぎの具体的な進め方は、居宅介護支援事業所・施設によって異なります。詳しくは担当のケアマネジャー・施設にご確認ください。

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