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コラム入居の準備ご家族向け

老人ホーム入居時の持ち物と準備リスト
— 当日までにそろえるものを社会福祉士が解説 —

入居する施設が決まり、いよいよ準備。「何を持って行けばいいの」「名前つけはどこまで必要」と、意外と迷うのが持ち物の用意です。当日になってあわてないよう、早めに進めておきたいところです。 本記事では、入居時の 基本の持ち物リスト準備のこつ、そして自宅を引き払う場合の 家財整理や手続き まで、社会福祉士が整理しました。
掲載日:2026.07.06|監修:社会福祉士・入居相談員
この記事の答え

入居の持ち物は、施設から渡されるリストが基本です。衣類・洗面用具・薬とお薬手帳・保険証などの書類が中心で、持ち物には一つひとつ名前をつけます。自宅を引き払う場合は、あわてず落ち着いて進めます。

施設によって、用意するものや持ち込めるものが違うため、まずは施設のリストを確認します。基本は、衣類(下着・部屋着・上着)、洗面や入浴の用具、飲んでいる薬とお薬手帳、健康保険証・介護保険被保険者証などの書類です。施設では洗濯をまとめて行うことが多いので、衣類やタオルには名前をつけておきます。自宅を引き払う場合は、当面の持ち物を先に運び、家財の整理や電気・郵便などの手続きは落ち着いてから進めるのがおすすめです。ご家族だけで抱え込まず、必要なら専門業者や地域の窓口の力も借りましょう。
中川 優美(社会福祉士・入居相談員)
この記事の監修者

中川 優美Yumi Nakagawa

社会福祉士。ふれあい入居サポートセンター葛飾相談室にて、入居相談を担当。入居当日までの準備や、自宅を引き払う場合の段取りについても、ご家族の負担を減らせるようサポートしている。
社会福祉士(国家資格)ふれあい入居サポートセンター 葛飾相談室高齢者向け住まい紹介事業者届出 25-0881
編集ポリシー:本記事は入居相談の現場での経験をもとに、一般的な準備の流れを整理したものです。用意するものや持ち込めるもの、手続きの詳細は、施設や自治体によって異なります。実際の準備は入居先の施設のご案内にしたがってください。本記事内の事例はイメージで、特定の個人を表すものではありません。

まず施設のリストを確認

入居の持ち物は、施設によって用意するものや持ち込めるものが違います。そのため、まずは施設から渡される持ち物リストを確認するのが確実です。多くの施設が、入居前に持ち物の案内をくれます。それをもとにそろえていけば、大きく外すことはありません。

この記事では、施設のリストを補う形で、一般的にそろえておきたいものと、準備のこつを整理します。当日になってあわてないよう、少しずつ進めておきましょう。

入居前に確認すること

持ち物をそろえる前に、施設に次のことを確認しておくと、無駄なく準備できます。

  • 洗濯を施設で行うか、家族が持ち帰るか(衣類の枚数のめやすが変わります。乾燥機を使う施設では、縮みやすい素材や装飾の多い衣類は避けるよう案内されることがあります)
  • 家具や家電を持ち込めるか 持ち込む場合は、家具の寸法と搬入口、転倒を防ぐ固定、テレビのアンテナと利用料、冷蔵庫の電気代と衛生の管理、電気毛布・加湿器・電気ポットなどの使用の可否、延長コードやたこ足配線の扱い、携帯電話や Wi-Fi の利用、退去するときの処分まで確認しておきます
  • 持ち込みに確認が必要なもの 刃物・火を使うもの・電熱器具などは、持ち込めるかどうかと保管の方法を施設に確認します(一律に禁止とは限りません)
  • おむつやパッド 施設が用意するか持参か、費用に含まれるか、指定の商品があるか、ご家族が購入する場合の補充の方法まで確認します
  • 記名のしかた どの物に、どんな方法で名前をつけるかは施設の指定にしたがいます
  • 現金と貴重品の扱い 少額の現金をご本人が管理するのか、施設に預けられるのか、預り金の管理費がかかるか、出納の記録をご家族が確認できるか、キャッシュカード・通帳・印鑑をどうするかを確認します

これらは施設によって扱いが違います。契約のときに渡される重要事項説明書にも書かれていることが多いので、あわせて確認しておきましょう。重要事項説明書の読み方は、別記事「重要事項説明書の読み方」で解説しています。

基本の持ち物リスト

一般的に用意することが多いものを、種類ごとに整理しました。施設のリストと合わせてご確認ください。荷造りは、できるだけご本人と一緒に選びながら進めてください。 どれを持っていくかは、ご本人の暮らしそのものに関わります。

種類主な持ち物
衣類下着、部屋着、上着、靴下、履物(かかとがあり、滑りにくく、着脱しやすいもの。施設から指定がある場合はそれにしたがいます)
洗面・入浴歯ブラシ、コップ、タオル、バスタオル、ひげそり、くしなど
薬・健康飲んでいる薬、お薬手帳、薬剤情報提供書
身につけるもの眼鏡と眼鏡ケース、補聴器と電池・充電器、義歯と義歯ケース・洗浄剤、杖・歩行器などの補装具
書類医療保険の資格を確認できるもの(マイナ保険証として利用するマイナンバーカード、または資格確認書)、介護保険被保険者証、負担割合証、施設から提出を求められた医療情報(健康診断書・診療情報提供書・看護サマリーなど)
日用品ティッシュ、(必要なら)おむつ・パッド、使い慣れた日用品
心が落ち着くもの家族の写真、なじみの小物、読みなれた本など

薬について。 現在飲んでいる薬を、ご家族の判断で小分けにしたり、中止・変更したりしないでください。処方の内容が分かる薬剤情報提供書やお薬手帳と一緒に、施設の指示どおりに持参します。

資格確認書について。 交付の状況は、加入している医療保険者に確認してください。マイナンバーカードを施設に預ける場合は、保管の方法・利用の方法・暗証番号の扱い を必ず確認します。

印鑑について。 契約などで指定された場合のみ持参します。施設に預ける場合は、保管の方法を確認してください。

補聴器・義歯・眼鏡について。 小さく、紛失しやすいものです。紛失したときの施設の対応、保管の場所、夜間に外したあとの管理の方法 を確認しておきましょう。

大切な品物について。 壊れたり失くしたりしたときに代わりのきかない高価なものや、ご本人にとって特に大切な一点ものは、持ち込む前にご本人と施設で相談してください。

名前つけと量のめやす

施設では、洗濯をまとめて行うことが多く、名前がないと取り違えが起きやすくなります。施設から指定された物に、指定された方法で記名 してください。布に貼れる名前シールや、油性ペン、縫い付けるテープなどが便利です。数が多いので、入居の前に少しずつ進めておくと、当日にあわてずにすみます。

衣類の枚数は、施設から指定された枚数を基本に、洗濯の頻度、汚れたときの着替え、季節の入れ替えをふまえて用意します。具体的なめやすは、施設に確認しておくと安心です。

入居当日の動き

当日は荷物が多く、ばたばたしがちです。次の点を決めておくと落ち着いて進められます。

  • 薬と医療の書類は、荷物に混ぜず職員へ直接渡す(段ボールに入れてしまうと、当日の服薬に支障が出ることがあります)
  • 貴重品と契約の書類は、ほかの荷物と分けて持つ
  • 移動の手段と、付き添う方を決めておく
  • 食事・服薬・排せつの直近の状況を職員に伝える
  • ふだんの生活の習慣や、ご本人が安心する関わり方を伝える
  • 到着の時間を施設と確認しておく

あわせて、連絡先を 1 枚にまとめておく と便利です。ご家族と緊急連絡先、主治医と歯科医、薬局、担当のケアマネジャー、訪問看護などの事業所、後見人など。ただし個人情報ですので、施設に渡す範囲は必要最小限にしてください。

自宅を引き払う場合

ひとり暮らしだった親御さんが入居し、自宅を引き払う場合は、持ち物の準備に加えて、家の片づけや手続きも出てきます。

大切なのは、急いで全部を片づけようとしないことです。まずは当面の持ち物を施設に運び、自宅の整理は落ち着いてから進めるのがおすすめです。思い出の品もあり、気持ちの整理にも時間がかかります。費用と安全の管理をふまえて、いつまで自宅を残すかを先に決めておく と、あわてずに進められます。

出てくる主な手続きには、次のようなものがあります。

  • 電気・ガス・水道 自宅をいつまで使うか、清掃や片づけの日程を決めてから停止日を設定します
  • 郵便の転居届 これだけで終わりにせず、自治体・金融機関・保険会社・カード会社などへ、個別に住所や送付先の変更を届け出ます
  • 住民票 施設へ移す必要があるかを、施設と現在お住まいの市区町村に確認します
  • 年金 住所や郵送先の変更が必要かを、日本年金機構に確認します
  • 介護保険・医療保険 住民票を移す場合は、介護保険・後期高齢者医療・国民健康保険などの手続きが必要になることがあります。ただし住所地特例、同じ市区町村内での転居、施設の種別によって扱いが異なりますので、施設と、転出元・転入先の市区町村に確認してください(住所地特例は「老人ホーム入居と住民票」で解説しています)
  • 新聞や定期購入などの停止

賃貸住宅の場合 は、誰が契約者か、解約の予告期間、家賃の支払いが終わる日、原状回復、敷金の精算、残された物の処分を、契約書で確認します。ご本人以外のご家族が、契約者の意思や代理の権限を確認しないまま解約しないよう ご注意ください。

自宅を引き払わない場合 も、火災保険、固定資産税や家賃、郵便物、換気と通水、防犯、庭木や害虫、集合住宅の管理組合への対応が続きます。空き家になる場合は、鍵を誰が管理し、定期的に誰が見に行くかも決めておきましょう。

家財の整理が大変な場合は、専門の業者に頼む方法もあります。その際は、複数の会社から見積もりを取る、処分の費用・買取の額・追加の料金を確認する、一般廃棄物の収集運搬を適切に行える業者か確認する、そして 貴重品・通帳・権利書・遺言書・写真などを先に分けておく ことが大切です。「遺品整理業者」という名称だけで選ばず、自治体のごみ処理のルールも確認してください。

遠くに住んでいて手をつけにくい場合の進め方は、別記事「遠距離・疎遠の家族による施設探し」も参考になります。ご家族だけで抱え込まず、必要な力を借りながら進めましょう。

よくあるご質問

Q. 持ち物には、何を用意すればよいですか。

A. 基本は、衣類(下着・部屋着・上着)、洗面や入浴の用具、飲んでいる薬とお薬手帳、医療保険の資格を確認できるもの(マイナ保険証として利用するマイナンバーカード、または資格確認書)や介護保険被保険者証などの書類です。加えて、使い慣れた日用品や、写真・小物などの心が落ち着くものもあるとよいでしょう。施設ごとに、用意するものや持ち込めるものが違いますので、事前に施設から渡されるリストにしたがって準備するのが確実です。

Q. 持ち物に名前を書く必要はありますか。

A. 施設では洗濯を施設側でまとめて行うことが多く、名前がないと取り違えが起きやすくなります。ただし、すべての物に名前が必要とは限りません。施設から指定された物に、指定された方法で記名してください。布に貼れる名前シールや、油性ペン、名前を縫い付けるテープなどが便利です。数が多いので、入居の前に少しずつ進めておくと当日があわてずにすみます。

Q. 自宅を引き払う場合、何から手をつければよいですか。

A. 急いで全部を片づけようとせず、まずは当面の持ち物を施設に持って行き、自宅の整理は落ち着いてから進めるのがおすすめです。電気・ガス・水道や郵便物の転送、年金や介護保険の住所変更など、手続きも出てきます。ご家族だけで抱え込まず、必要に応じて家財整理の専門業者や、地域の窓口の力も借りながら進めましょう。

まとめ

入居の持ち物と準備は、早めに少しずつ進めておくと、当日を落ち着いて迎えられます。最後に要点を整理します。

  1. まず施設から渡されるリストを確認し、洗濯の有無や持ち込みの可否を聞いておきます
  2. 衣類・洗面用具・薬とお薬手帳・書類が基本。持ち物には一つひとつ名前をつけます
  3. 自宅を引き払う場合は、あわてず、当面の物を先に運び、整理や手続きは落ち着いてから進めます

準備することが多く感じられても、ひとつずつ進めれば大丈夫です。段取りに迷われたときは、お気軽にご相談ください。ふれあい入居サポートセンターでは、社会福祉士などの専門の相談員が無料でご相談を承っています。

参考文献・公的資料

  1. 本記事は入居相談の現場での経験をもとに、一般的な準備の流れを整理したものです。
  2. 用意するもの・持ち込めるもの・手続きの詳細は施設や自治体によって異なります。実際の準備は入居先の施設のご案内にしたがってください。

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