ケアマネジャーの方へ|2026年10月号
介護保険制度・国の動向
すでに決まったことと、まだ議論されていることを分けて載せています。議論中のものは、結論が変わることがあります。
審議中2026年9月30日
2027年度介護報酬改定、9月末に「基本的な視点」の議論へ
- 介護給付費分科会は9月10日・14日・16日に関係団体からの意見聴取(3回)を終え、9月30日の第268回で「基本的な視点(案)」を議題にしています。
- 厚労省が示したスケジュール案では、10〜12月に具体的な方向性を議論し、12月中に報酬・基準の基本的な考え方をとりまとめ、2027年1月頃に改定案の諮問・答申の予定です。
- 居宅介護支援(ケアマネ事業所)については6月29日の第259回で論点が議論されましたが、単位数や算定要件などの具体的な中身はまだ決まっていません。
- 厚労省の資料は、賃上げ・経営の安定・人材確保を図る必要があると整理し、物価・賃金の上昇を反映した対応を取る必要があるとしています。あわせて、介護給付の効率化・適正化にも取り組む必要があると書いています。
- 運営基準は、自治体の条例改正に時間がかかるため、報酬より先にとりまとめる予定です。
厚生労働省第268回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)を開催します元のページを見る ↗出典:社会保障審議会(介護給付費分科会)開催一覧、第268回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)を開催します、令和9年度介護報酬改定に向けた今後の検討の進め方について(案)(第262回 参考資料1)、第259回社会保障審議会介護給付費分科会(議事録)
審議中2026年9月18日
2割負担の対象拡大は2026年度中に結論(未決定)
- 2割負担の対象を広げるかどうかは、まだ決まっていません。現在の基準は、単身で「年金収入+その他の合計所得金額」280万円以上(合計所得金額160万円以上)です。
- 2025年12月の部会意見書では結論が出ず、第10期計画の開始(2027年度)前までに結論を得ることになりました。骨太の方針2026(2026年7月21日閣議決定)でも「2026年度中に結論を得る」とされています。
- 9月18日の第136回介護保険部会で議論が再開され、「一定以上所得」の判断基準と、金融所得・金融資産の反映のあり方が論点として示されました。
- 昨年の部会では、基準を260万〜230万円まで下げる選択肢が示されました。あわせて、負担増を月7,000円までに抑える案と、預貯金が一定額以下なら申請で1割に戻す案も、配慮措置として議論されています。いずれも決定事項ではありません。
厚生労働省第136回社会保障審議会介護保険部会の資料について(2026年9月18日)元のページを見る ↗出典:第136回社会保障審議会介護保険部会 資料2 持続可能性の確保(給付と負担)について(2026年9月18日)、第136回社会保障審議会介護保険部会の資料について、介護保険制度の見直しに関する意見(令和7年12月25日 社会保障審議会介護保険部会)
法成立(新類型)2026年6月25日
一般の居宅介護支援は10割給付のまま。住宅型有料の新類型にだけ1割負担
- 2025年12月の部会意見書は、利用者負担を「住宅型有料老人ホーム入居者向けの新しい相談支援類型」に限って求める方向を示しました。一般の居宅介護支援への導入は、方向性として示されていません。
- 6月25日公布の改正法で、登録有料老人ホームの入居者を対象とする「登録施設介護支援」「登録施設介護予防支援」が新設されました。給付は費用の9割で、原則1割の利用者負担が生じます。
- 登録施設介護支援の施行は「公布から3年を超えない範囲内で政令で定める日」です。報酬や人員基準は今後、介護給付費分科会で議論されます。
- 住宅型有料老人ホームに入居する利用者を担当するケアマネは、将来ケアプラン作成の担い手や費用負担が変わる可能性があることを知っておく必要があります。
厚生労働省介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)資料(PDF)を見る ↗出典:介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)(令和8年6月25日)、介護保険制度の見直しに関する意見(令和7年12月25日)、第136回介護保険部会 資料2(登録施設介護支援等への利用者負担導入に言及)
継続検討(結論先送り)2025年12月25日
要介護1・2の生活援助の総合事業への移行は結論を持ち越し
- 2025年12月の部会意見書は、要介護1・2の生活援助などを総合事業へ移すかどうかについて「引き続き、包括的に検討を行うことが適当」としており、移行は決まっていません。
- 総合事業のうち認知症の方の受け皿の整備状況や、専門職の役割などのデータを集めて分析し、市町村の意向や利用者への影響をふまえて検討を続けることになっています。
- 現時点では、要介護1・2の方の訪問介護・通所介護は、従来どおり介護給付です。
厚生労働省介護保険制度の見直しに関する意見(令和7年12月25日 社会保障審議会介護保険部会)資料(PDF)を見る ↗出典:介護保険制度の見直しに関する意見(令和7年12月25日)、第136回介護保険部会 資料2(意見書の給付と負担関係部分の抄録)
法成立・施行前2026年6月25日
ケアマネ証の更新制が廃止に(改正法成立・施行はこれから)
- 改正介護保険法で、介護支援専門員証の有効期間と、更新のための研修が廃止されます(主任ケアマネも同様)。施行は「公布から1年6か月を超えない範囲内で政令で定める日」です。
- 更新制がなくなっても、都道府県が行う研修の受講は引き続き義務です。正当な理由なく受講しない場合は受講命令が出され、従わなければ1年以内の業務禁止があり得ます。
- 事業者には、ケアマネの従事開始・終了を都道府県へ報告する義務と、研修受講の機会を確保する措置の義務が新たに課されます。
- 研修時間の縮減や分割受講などの具体的な運用は、今後の省令等で示される見込みです(2026年9月末時点では未確認)。
厚生労働省介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)資料(PDF)を見る ↗出典:介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)、介護保険制度の見直しに関する意見(令和7年12月25日)
施行済2026年6月1日
居宅介護支援にも処遇改善加算(加算率2.1%)が新設
- 令和8年度の期中改定(改定率+2.03%)で、これまで対象外だった居宅介護支援・介護予防支援にも介護職員等処遇改善加算が新設されました。加算率は2.1%です。
- 算定するには、加算Ⅳに準じる要件か「令和8年度特例要件」を満たす必要があります。居宅系の特例要件は、ケアプランデータ連携システムへの加入と実績の報告です(申請時点では誓約でも可)。
- 処遇改善加算の対象は、介護職員だけから介護従事者全体に広がりました。
厚生労働省令和8年度介護報酬改定について元のページを見る ↗決定(移行準備中)2026年9月18日
ケアプランデータ連携は2027年1月めどで介護情報基盤に統合。WEB版への登録が必要
- ケアプランデータ連携システムの導入率は、2026年7月末時点で53.1%です(2025年12月は10.2%)。
- 2027年1月をめどに、ケアプランデータ連携の機能が介護情報基盤に統合されます。統合後、事業者の利用料はかかりません。
- 2027年1月以降も連携を続けるには、新システム(介護保険資格確認等WEBサービス)での事業所・管理者登録が必要です。現行のアプリ版は、一定期間稼働したあと終了します。
- 介護情報基盤は2026年4月1日に運用が始まりました。認定情報などの閲覧機能は、2028年4月の本格運用に向けて、市町村ごとに順次使えるようになります。
厚生労働省第136回介護保険部会 資料3 介護情報基盤について(報告)(2026年9月18日)資料(PDF)を見る ↗法成立・施行前(原則2027-04-01)2026年6月25日
2027年4月から介護予防ケアマネジメントの委託先が広がるなど
- 第一号介護予防支援事業(介護予防ケアマネジメント)は、地域包括支援センターの設置者などへの一括委託の対象から外れます。基準を満たす者に対しては、居宅要支援者に限らず委託できるようになります(2027年4月1日施行)。
- 特定施設・グループホーム・小規模多機能などの事業者も、要介護認定の申請手続きを代行できるようになります。
- 夜間対応型訪問介護は廃止されます。
- 2025年12月の意見書は、ケアマネ試験の受験資格の見直し(実務経験を5年から3年へ、対象となる国家資格の追加)も提言していますが、実施されたかどうかは確認できていません。
厚生労働省介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)資料(PDF)を見る ↗施行済2026年8月1日
2026年8月から施設の食費と負担限度額が改定
- 介護保険施設などの食費の基準費用額が、1日1,445円から1,545円に上がりました。
- 負担限度額(食費)は、第3段階①が1日650円から680円、第3段階②が1,360円から1,420円に上がりました。第1・第2段階は据え置きです。第3段階②の居住費も上乗せされ、特養の従来型個室は880円から980円になっています。
- 第2段階と第3段階①を分ける基準線が、年金収入などで80.9万円から82.65万円に変わりました(老齢基礎年金の満額826,500円に合わせたもの)。
- 意見書は、2027年度から第3段階①・②をそれぞれ2つに分け、さらに上乗せする方針を示しています。具体的な額はまだ確認できていません。
厚生労働省介護保険最新情報Vol.1481 居住費・滞在費の負担限度額の一部を改正する件(令和8年3月13日)資料(PDF)を見る ↗出典:介護保険最新情報Vol.1481 居住費・滞在費の負担限度額の一部を改正する件(令和8年3月13日)、介護保険最新情報Vol.1532 「介護保険制度における利用者負担等の事務処理の取扱いについて」の一部改正(令和8年7月31日)、令和8年度介護報酬改定の概要(基準費用額(食費)の見直し)、負担限度額は2026年8月から改定(ふれあい介護ナビ)
法成立・施行前2026年6月25日
要介護者向け有料老人ホームは登録制に(施行は公布から2年以内)
- 要介護者などを入居させて介護を提供する有料老人ホームは、都道府県知事の登録制になり、5年ごとの更新が必要になります。施行は、公布から2年を超えない範囲内で政令で定める日です。
- 登録制の対象外のホームでも、届出の際に入居対象(要介護度など)や契約約款を出す必要があります。誇大広告の禁止や、契約前の書面交付・説明も義務になります。
- 対象外のホームは、入居者が要介護状態になり転居を希望した場合、登録ホームや介護保険施設への円滑な移行を支援しなければなりません。
- 有料老人ホーム協会の業務に、「入居情報提供事業者」(紹介事業者)を適正に利用するための調査研究が加わります。
厚生労働省介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)資料(PDF)を見る ↗継続実施(新規は未確認)2026年8月11日
都・区のケアマネ向け支援は既存事業が中心(2026年度の新規事業は確認できず)
- 東京都の「介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(令和7年度・令和8年度繰越分)」は、居宅介護支援と介護予防支援も対象です。ただし計画書の受付は2026年4月15日で終わっています。
- 東京都の法定研修受講料補助事業は、2026年6月26日時点で「令和8年度は決まり次第案内」となっています。居宅介護支援事業所の事務職員雇用支援事業も、令和8年度の案内はまだ出ていません。
- 葛飾区は、介護支援専門員の研修費用助成金を継続しています。都の補助に申請した受講者が対象で、補助率は1/4です(ページ更新は2026年5月29日)。
- 江戸川区は、介護サービスを拒否している利用者を支援したケアマネの事業所に、1人5千円を支給する支援金を設けています(開始時期は未確認)。
東京都福祉局令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(令和8年度繰越分)元のページを見る ↗出典:東京都福祉局 令和7年度介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業(令和8年度繰越分)、東京都福祉局 介護支援専門員法定研修受講料補助事業、東京都福祉局 居宅介護支援事業所事務職員雇用支援事業、葛飾区介護支援専門員研修費用助成金について、江戸川区介護サービス拒否者に関わる介護支援専門員支援金のご案内
法成立・施行前2026年6月25日
身寄りのない高齢者の入院・死後事務を支える事業が法定化(施行は公布から2年以内)
- 改正社会福祉法で「福祉サービス利用援助事業」の対象が広がり、判断能力の低下だけでなく、近くに頼れる家族がいないことなどで生活に支障がある生計困難者も含まれるようになります。
- 支援の中身にも、保健医療サービスの利用や、葬祭など死亡時に必要なサービスの利用の援助が加わります。施行は、公布から2年を超えない範囲内で政令で定める日です。
- 2024年6月の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」を改定した国の文書は、確認できませんでした。国の資料は引き続き、このガイドラインにもとづいて事業者の適正な運営を確保する方針を示しています。
- 厚労省は2026年5月11日、身寄りのない在宅高齢者への支援について、自治体向けガイドブックを含む調査報告書を周知しました。
厚生労働省介護保険最新情報Vol.1503 身寄りのない在宅高齢者への支援に関する調査事業等の報告書について(令和8年5月11日)資料(PDF)を見る ↗出典:介護保険最新情報Vol.1518 社会福祉法等の一部を改正する法律の公布について(通知)、介護保険最新情報Vol.1503 身寄りのない在宅高齢者への支援に関する調査事業等の報告書について(令和8年5月11日)、第29回社会保障審議会福祉部会 資料2 身寄りのない高齢者等への対応、成年後見制度の見直しへの対応について(令和7年9月8日)、介護保険最新情報Vol.1273 高齢者等終身サポート事業者ガイドライン(令和6年6月11日)
